#13
築地市場

今日で、このコーナーは最終回。
ラストを飾るのは
東京都中央卸売市場のうち最も古い歴史を持つ市場…築地市場です。

築地市場は、東京メトロ日比谷線築地駅下車 徒歩15分のところにあります。
魚介の水産物、野菜とくだものの青果物を取り扱う総合市場です。
生鮮食料品が国内各地はもとより広く海外からも入荷されるという
グローバルな市場で、連日多くの人でにぎわっている市場です。

そんな築地市場には、魚の本を主においている小さな図書室があります。
銀鱗会という文化団体が運営している、『銀鱗文庫』という図書室で、
一般の方も日曜日以外は午前10時30分から午後2時30分まで
利用することができます。

その銀鱗文庫のお留守番をしているのが、福地享子さん。

福地さんは、以前は、雑誌の編集者やライターとして活躍していましたが、
1998年に知り合いのシェフと築地市場を訪れてから、
その魅力に魅せられて、市場を訪れてから3か月後。
長靴と、前掛けと、うろこ引きを買って、
築地市場内の鮮魚仲卸店に「今日から使ってください!」と直談判しに
行ったという方なんです。
福地さんは、市場のどんなところに魅力を感じたのでしょうか。

「本当に中に入って分かったんですが、やっぱりその道10年とかね、
赤貝だけ、貝だけむいて15年とか、赤貝とかハマグリをむくっていうのも、お寿司屋さんに頼まれてむく。
お寿司屋さんでは、ヒモが切れちゃいけないとか、ハマグリでは、薄い膜が表面にあって、
薄い表面の膜が破れてしまうと煮浜にした時にふっくらいかないんですよ。
その薄い膜を破らないでむくって
すごく難しいんです。だけど、そのことを頼まれれば1時間で300、500やれるような技を間近で
初めて見ましたから、やっぱりかなり度肝を抜かれたというのはありましたよね。
それまでずっと雑誌の編集の仕事って見て書くという仕事なので、自分で手を動かすということはないので、
自分で手を動かして魚をおろすとかやってみたかったんです。で、まぁ、男の人たちもかっこいいし、
魚おろしているとかね、それまで女性誌でいると女の人ばっかり見てたから、
こっちきたらいっぱいいるじゃん。そっか、いい男ってこういうところにたまってたんだって思って、
そういうのを見て楽しいわみたいな、と思って市場に居ついてしまいました。」

長靴を履いて、前掛けをしてうろこ引きを片手に
お店に直談判してから、15年。
最初は、お店の方に「ダメだ」と言われたものの数年後には看板ねぇさんになり、
現在は、銀鱗会の事務局長、そして、『銀鱗文庫』に在住しています。

雑誌の編集者時代は、魚料理に関する記事は書いていたものの
魚の名前さえも分からなかったという福地さんが、
市場に来て魅せられたのは、プロの熟練した技や針の先のような細かいながらも、
その分野では負けないくらいの知識を持った市場で働く人たちの姿だったんですね。

そして、今、福地さんが
築地市場に対して思うことについてもお話を伺いました。

「できた時は、東洋一と言われたしその通りだったと思うんですが、
開場して80年くらい、立てて90年くらい、実際にいたるところに支障が出てきている。
この市場自体が鉄道ありきで作られた。競り場がカーブを描いているのは、
鉄道の車両がそれだけつけるように設計されているんです。
だから、ここの市場自体が鉄道ありきで設計された市場で、そしてそれがトラックに変わった時に
トラック用に変化できていない。トラック用に替えるのは抜本的に全部変えなきゃいけないし、
そういう面では、ここまで言っていいか分からないけど、築地市場は物流の側面から見ると
もはや取り残されちゃっている。そういう市場としてのイチバ力を持った市場になるためには、
物流の側面から新しい市場を考えると豊洲は必要だと思います。」

物流、衛生面を見直して、
グローバルな市場にしていくためにも必要とされる豊洲新市場は、
現在、2015年度中の施設の完成を目指しています。

イチバ力を持った市場になるために
築地市場から生まれ変わる豊洲新市場、どんな市場になるのでしょうか。

ということで、今日で最終回となる、TOKYO ICHIBA PROJECT LOVE MARCHE!
みなさんは、どの市場が印象に残っていますか?
この番組を通じて、少しでも市場が身近に感じてもらえたら嬉しいです。